家計の引き締めが求められる昨今は、クルマ選びもできる限り賢く行いたいところ。できるだけ予算は抑えつつ、安全性や快適性、燃費など、日常の使いやすさはしっかり確保する――そんなニーズに応えてくれるクルマがあれば、ぜひチェックしておきたいものです。
今回はプロの視点から、低予算で「納得の満足感」が得られる3台を、軽自動車・コンパクトカー・SUVの3ジャンルに分けて厳選。それぞれの注目ポイントを詳しくご紹介していきます。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:TOYOTA、SUZUKI
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軽ならコレ!! 軽の価格で軽とは思えない余裕を味わえる、スズキ「スペーシア」
軽自動車といえば、ホンダ「N-BOX」の人気が高いですが、筆者のお薦めはスズキの「スペーシア」です。現行モデルは2023年11月に登場した3代目。「家族みんなで使えるファーストカー」をコンセプトに開発された軽スーパーハイトワゴンで、ベースグレードのHYBRID Gは153万100円からと手の届きやすい価格(2025年6月末時点)ながら、マイルドハイブリッドを採用し、WLTCモード燃費は25.1km/Lを達成しています。N-BOXのベースグレード(ガソリンFF)は税込174万円、燃費は21.6km/Lですので、スペーシアのほうがコスパも燃費も優れています。
両側電動スライドドアと後席のロングスライド機構により、チャイルドシートを装着した状態でも乗り降りがしやすく、1400mmを超える室内高は、ミドルクラスのミニバンに匹敵する広さを誇ります。天井収納の「ギャザーラック」や助手席のテーブルなど、収納の工夫も豊富で、日常使いから週末のレジャーまで幅広く対応します。
全車に「デュアルカメラブレーキサポートII」や後退時ブレーキサポートを標準装備するなど、安全性能も充実しており、税金や保険料を含めた年間の維持費は、コンパクトカーより数万円安く済みます。リセールバリューも安定しており、静粛性にも優れ、アイドリングストップからの再始動もスムーズ。軽とは思えない「もう一台分の余裕」を感じられる一台です。
スペーシアカスタム。クラストップレベルの室内空間、日常使いのレベルの高さなど、「これを買ったら満足できる」要素が詰まっている
コンパクトカーならコレ!! 驚異の燃費性能と充実した標準装備が自慢のトヨタ「ヤリス」
乗用車で選ぶなら、トヨタ「ヤリス」がお薦めです。ガソリン車なら165万7000円(X 1.0L CVT 2WD)から購入できますが、お薦めなのは220万円から購入できるハイブリッド車。WLTCモードで35.4~36.0km/L(2WD)と驚異的な燃費性能で、一か月に1000km程度走行すると、燃費21.3km/Lのヤリスガソリン車(2WD)に比べて年間で4万円近い燃料代が節約できる計算になります(ガソリン価格171円/Lとすると、ハイブリッド車は年間57,900円、ガソリン車だと96,300円がかかる)。
この驚異的な燃費性能は、トヨタの優秀なハイブリッドシステムによる恩恵に加えて、車両重量が約1トンと軽いことによるところも大きく、この軽量な車体は、キビキビとしたハンドリングや快適な乗り心地にも貢献してくれています。
装備面も充実しており、自動ブレーキや全車速対応ACCを含む予防安全装備「Toyota Safety Sense」は全車標準装備。さらに8インチのディスプレイオーディオやコネクテッドナビも標準装備となっており、高額な純正ナビを付けなくても、スマホを接続すればすぐにインフォテインメントを楽しむことができる点も魅力。
街中での取り回しの良さと長距離での疲れにくさを両立し、保険料区分も低め。燃費・装備・走りのバランスが高く、コンパクトカー選びでまず候補に入れておきたい一台です。
ヤリス。日本のみならず、世界的にも人気が高いモデルだ
SUVならコレ!! 手軽にSUVらしさを味わえる、トヨタ「ライズ」
流行りのSUVなら、トヨタ「ライズ」がお薦めです。ガソリンモデルなら税込180万700円から購入することができ、ハイブリッド車であっても244万2000円から購入することができるなど、SUVとしては非常にリーズナブル。浮いた予算をレジャーや趣味に回すことができますよね。
ライズも燃費性能が超優秀で、ガソリン車でWLTCモード20.7km/L、ハイブリッドでは28.0km/Lと、クラス上位の数値をマーク。全長は約4mとコンパクトながら、後席のニールームは広く、ラゲッジ容量も369L(デッキボード下収納含む)を確保。ベビーカーやアウトドア用品も余裕で積みこむことができ、シートバックテーブルや多彩な収納スペースなど、日常の使い勝手にも配慮されています。
パワートレインは1.2L+D-CVTまたはシリーズハイブリッド「e-SMART」を採用しており、ストップ&ゴーの多い都市部でも扱いやすい仕様。1100kgという軽量ボディのお陰で、SUVらしからぬ軽快なハンドリングも魅力です。本格的なオフロード性能を持ち合わせているわけではありませんが、665mmの高さに設定されたヒップポイントによる見晴らしのいい視界や、路面状況や運転状況に応じてFFから4WDに可変する4WD車向けの制御「ダイナミックコントロール4WD」など、SUVならではのアドバンテージが十分味わえるパッケージングも魅力です。
安全面では「スマートアシスト+」を標準装備。歩行者検知機能付きのプリクラッシュブレーキや全車速対応のACCも備えるなど、日常使いにちょうどいいSUVをお探しの人にぴったりな一台です。
ライズハイブリッド。現行型は2019年デビューとまずまずの熟成域だが、新車販売ランキングではいまも上位に食い込む人気車種だ
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普段使いで「買ってよかったな」と思うためには、高価な装備やパワーよりも「必要十分な質」が必要。スペーシアの快適な空間、ヤリスの圧倒的な燃費性能、ライズの万能な実用性――。どのモデルも、維持費を含めたトータルコストをぐっと抑えながら、充実したカーライフをしっかり味わうことができます。
「コストを抑えながら、いいクルマに乗りたい」とお考えなら、ぜひ今回ご紹介した3台を軸に、愛車選びをスタートしてみてください。
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投稿 プロがガチで薦められる「安くていいクルマ」種類別3選 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。
2025-07-02T03:08:40Z