【たんぱく質】継続して食べるのが大変な人に知ってほしい『調理の工夫』4選

たんぱく質を継続して摂った方が良い理由

たんぱく質は、筋肉や骨、内臓、皮膚、髪の毛などの材料です。ホルモンや酵素など生理機能を維持するための物質になるなど、様々な役割があります。なかでも、筋肉を作るという働きは健康維持のためにとても重要です。筋肉は使わないと減る特性があるため、運動習慣がなく座りっぱなしの生活が続くと、脚の筋肉が落ちてしまい、日常生活に支障が出てきます。そのため、筋肉がつきやすい若い年代のうちに筋肉をつけておく『貯筋』が大切です。また、たんぱく質によって作られた体の各組織は、一度できたらそのままでなく、絶えず入れ替わります。そのサイクルは、体の組織や年齢によってもさまざまです。古くなったたんぱく質が分解されると、新しいたんぱく質が必要になります。そのため、常に食事からたんぱく質を摂取することが重要になってくるのです。

たんぱく質の必要量はどのくらい?

日本人の食事摂取基準によると、一日に必要なたんぱく質は、18~49歳は、摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%です。推奨量は18~64歳の男性で一日65g、18歳以上の女性は一日50gとなっています。例えば、30歳・女性の場合、推奨量は50gになりますが、一日の活動量が多かったり、運動やトレーニングを日常的に行っている人の場合は必要量が増えます。あくまで目安として必要最低量と考えると良いでしょう。3食で50gを摂取するためには、1食あたり17gのたんぱく質を摂る必要があります。食卓でよく食べる食品で目安を把握しましょう。

・肉類(100g) 約20g

・魚類(100g) 約20g

・卵 1個 約6g

・納豆 1パック(40g) 約6.5g

・木綿豆腐1/4丁(100g) 約7g

・絹豆腐1/4丁(100g) 約5g

・牛乳 1杯(200ml) 約7g

・プレーンヨーグルト(100ml) 約4g

・スライスチーズ1枚 約4g

肉類や魚類が効率的にたんぱく質を摂取できるのがわかります。大豆製品と乳製品を組み合わせてバランスよく摂取することも大切です。

たんぱく質摂取を継続するための調理の工夫4選

毎食たんぱく質を意識して献立を考えるのは大変です。できるだけ簡単に、手軽に続けられる方法をご紹介します。

  1. 手間を省いて調理

    レシピ通りの調理法にこだわらず、できるだけ調理の手間を省きます。ハンバーグはフライパンでたねを作りそのまま焼く、1つの鍋で肉や野菜を茹でる、味付けはシンプルに塩のみ、醤油のみにするなど、作業が楽になるように考えてみましょう。

  2. 調理が楽な食材を取り入れる

    刺身はそのまま食べられて魚の栄養も摂れるので最適。さば水煮やツナなどの缶詰を常備しておけば、下ごしらえや調理の時間を減らすことができます。

  3. 冷凍ストックを作っておく

    週末など時間があるときに味付けをした冷凍ストックや作り置きをしておきましょう。忙しくて買い物に行けなかったり、仕事でヘトヘトになって帰宅しても悩まずに手早く調理できます。

副菜や汁物にたんぱく質をプラスする

メインのおかずでたんぱく質の量を満たせない場合や、食が細くて食べることが大変な場合は、副菜にハムやチーズ、しらす、汁物に卵や牛乳などを使うと、無理せずたんぱく質量をアップさせることができます。

たんぱく質は私たちの体を作ってくれる大切な栄養素です。難しく考えずに、食事を楽しむことで自然とたんぱく質の量も増えていきますよ。無理せず継続できると良いですね。

参考文献:三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量/健康長寿ネット

     日本人の食事摂取基準/厚生労働省

     筋肉と美容のミカタたんぱく質大全/成美堂出版

ライター:やなぎかおり

特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。     

NS Labo(栄養サポート研究所)

全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事業を行っている。また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢献活動を行っている。

2025-01-23T11:32:33Z