2025年7月4日、厚生労働省より「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」が公表されました。最新データによると、年金だけで生活できる高齢者世帯は43.4%。
前年からの変化とともに、「年金以外のどんな収入で生活費を補填しているのか」なども気になります。
本記事では、調査結果をもとに高齢者世帯のお金事情に迫ります。
記事の後半では厚生年金や国民年金の平均月額も紹介しますので、老後準備の参考にしてみてください。
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厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、「公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯」は 43.4%であることがわかりました。
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:16.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:15.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:12.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:8.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%
前年調査結果と比較してみましょう。
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%
100%年金だけで生活する世帯は41.7%だったので、割合としては少し増えていることがわかります。
しかし半数以上が「年金だけで生活できない」となると、その他のどのような収入で生活費を補填しているのか気になります。
同調査より、所得の内訳を見ていきましょう。
1世帯当たりの平均所得金額は、高齢者世帯で314万8000円です。
・稼働所得:25.3%
・公的年金・恩給:63.5%
・財産所得:4.6%
・公的年金・恩給以外の社会保障給付金:0.6%
・仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得:6.0%
年金以外に働いて得る収入や財産、また仕送り等もあることがわかります。
同調査から、生活意識についても見ていきましょう。
・大変苦しい:25.2%
・やや苦しい:30.6%
・普通:40.1%
・ややゆとりがある:3.6%
・大変ゆとりがある:0.6%
・大変苦しい:33.9%
・やや苦しい:30.4%
・普通:30.6%
・ややゆとりがある:4.6%
・大変ゆとりがある:0.6%
児童のいる世帯で「生活が苦しい」と回答した割合は64.3%でしたが、高齢者世帯では55.8%となりました。
主な収入である公的年金は、平均でどれほど支給されているのでしょうか。
厚生労働省が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」という資料から、厚生年金や国民年金の平均月額も見ていきましょう。
年金には遺族年金や障害年金等もありますが、今回は老齢年金の金額を紹介します。
・〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
・〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
平均は上記のとおりですが、実際には個人差があります。
厚生年金の加入者であっても、加入期間「40年」「15年」などで水準が異なります。金額が気になる方は、ぜひねんきんネットや年金定期便などで確認してみましょう。
7月4日に公表された「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」をもとに、高齢者世帯の実情を見ていきました。
生活が苦しいと感じている高齢者世帯は児童のいる世帯より少ない結果となったものの、半数以上は年金だけで生活できていません。
年金で足りない分については「貯蓄の取り崩し」「働いて収入を得る」などで補填する必要があるため、まずは年金見込額を知ることが重要となるでしょう。
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況/ 各種世帯の所得等の状況」
・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況/ 各種世帯の所得等の状況」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
2025-07-05T05:09:29Z