仕事や子育てが一段落して自分の時間が増える一方で、時間や体力には限りがあると感じることも多くなる50代。カナダ在住のミニマリストでブロガーの筆子さん(現在60代)によると、このタイミングは「趣味」や「やってみたいこと」を見直すチャンスなのだそう。今回は筆子さんの経験をもとに、趣味の見直し方をご紹介します。
人生の優先順位が少しずつ変わってくる50代。このタイミングで「趣味」や「やってみたいこと」を見直し、本当にやりたいことに絞ることは、非常に有意義な選択です。
私自身、50代を迎えてから趣味を整理することで、毎日の生活がより充実しました。今回は、趣味を整理するコツや、実際に手放したり、取り組み方を変えたりした経験をお話ししたいと思います。
趣味を見直す際、まずは自分が今行っている活動や、これからやってみたいことをすべてリストアップしましょう。その際、「ブレインダンプ」と呼ばれる書き出す方法がおすすめです。
ブレインダンプとは、ブレイン(brain)=脳、ダンプ(dump)=捨てる、脳内にあるものを全部捨てるというメソッド。必要なのは紙とペンだけで、自分の考えを自由に書き出すことで、大切なことや優先すべきことが明確になります。
私は、語学学習、読書、海外ドラマ鑑賞、散歩、片づけ、使いきり、買わない挑戦、モーニングページ、家計管理、ブログ執筆など、自分が「趣味」と呼べるものや、やっていきたいことを1つ1つ紙に書き出しました。
書き出すことで、どの趣味にどれだけの時間やお金を費やしているかを確認できます。すると、「じつはもう楽しめていない」「他人に影響されて始めたけれど自分には合わない」「時間をかけすぎている」といった趣味が見えてくるかもしれません。
私の場合、趣味やお稽古ごとはそんなに多くありませんでしたが、英語を学ぶのに、いろいろな教材を使っていて、どれも、中途半端になっている現実に気づきました。
趣味を整理するうえで大切なのは、自分にとって「本当にやりたいこと」の基準を明確にすることです。私は、以下のポイントを考えました。
純粋に「楽しい!」と思えるものは続ける価値があります。ブログ執筆はまさにその1つ。思考を整理でき、知識も深まるし、読者と交流できる楽しさや、記事を1本書いた達成感は手放せません。
限られた時間のなかで、優先順位が低いものは自然とあと回しになります。私はあまり使用していない教材を思いきって手放し、今後使いたいものだけを残しました。
他人のSNSを見て「これもやってみたい」と始めた趣味は、続かないことが多いです。私も、ネットで見かけた収納法(特殊な服のたたみ方など)や家計管理術に影響されて、方法を次々と変えていましたが、結局はしっくりこず、書きかけのノートが増えていきました。
「一度始めた趣味をやめるのはそろえた道具がもったいない」「三日坊主で終わるのは情けない」「せっかくここまで続けたのに」という気持ちにもなるかもしれません。
ですが、趣味はあくまで自分のために行うこと。自分や生活環境は常に変わるので、今の自分に合わないものを手放したり、取り組み方を変えたりすることは、自然でいい選択だと思います。
私の場合、塗り絵がその例。リラックスのために始めた頃は楽しかったのですが、次第に「もっと美しく塗りたい」とYouTubeでチュートリアルを見ることが増え、変なプレッシャーを感じるようになりました。
そこで、初心に戻って動画を見るのをやめ、「上手に塗ること」は意識せず、楽しむことを最優先にしました。その結果、始めた頃の楽しみが戻ってきました。
趣味を整理し、本当にやりたいことに集中すると、生活がシンプルになります。私が実感した効果は以下の3つです。
趣味が多いと、「やらなければ」というプレッシャーを感じがちです。少数の大事な趣味に絞ったら、その時間を心から楽しむことができるようになりました。
取り組み方をシンプルにしたことで、関連する道具や材料を買いたす必要がなくなり、その分の時間とお金を他に使えるようになりました。すでに持っている教材も生かせるので、気分的にラクです。
趣味を整理し、特定の活動を深く追求するようにしたことで、今までは気づかなかった楽しみや可能性に目が向くようになりました。たとえば、運動は、ウォーキングかスロージョギングをしていますが、毎日歩いているうちに、ただの健康習慣ではなく、自然を楽しむアクティビティに変わりました。
今回は、趣味を絞るメリットをご紹介しましたが、趣味の整理は、人生の優先順位を見直すいい機会です。長年続けた趣味をすべて手放す必要はありませんが、「本当にやりたいこと」に絞ると、より充実した日々を過ごせるようになります。
2024-11-29T11:08:00Z