日々忙しく過ごしていると、ときには「時間のなさ」に悩む人もいるのではないでしょうか。60代で著述家の中道あんさんは、そんなとき、「細ぎれ時間を上手に使うことで、暮らしを楽しめるようになる」と気づいたそう。今回は、中道さんが実践している、暮らしを整える「5分習慣」について教えてもらいました。
一日の大半を机に向かって過ごしています。原稿を書いたり、zoomセッションをしたり、相談メールに返信したり。とくに午前中は集中力が高いので、「文章を書く時間」と決めています。60代になった今も、意外と忙しい毎日です。
だからよく、「そんな生活なら、やるべきことに追われて、やりたいことはできないんじゃないの?」と聞かれます。うん、たしかに。仕事をまったくしない日は、ほとんどないかもしれません。でも、案外暮らしは楽しめるのです。
たぶん、私は細ぎれ時間を上手に暮らしに使っている方だから。
1回にかける時間は5分だけ。ですが、それを積み重ねていけば、暮らしの形になっていきます。
まず、朝起きたら窓をあけ胸いっぱい新鮮な空気を吸いこむことから始めます。これは、本当に最高に気持ちのいい瞬間です。そして、朝のルーティンがここから始まります。
今回は、数ある習慣のなかから「5分でできる習慣」だけにスポットを当てていきます。
私が取り入れている「5分習慣」は次の6つです。
・朝と寝る前にソファを粘着クリーナーで掃除
・朝ごはんは固定メニューで手軽に栄養補給
・犬の散歩ついでに、公園の健康遊具でストレッチ
・晴れた日は、公園のベンチでぼーっとする
・入浴前にトイレ掃除をする
・財布の中のレシートを抜いて、お札を整える
私はソファベッドに薄めのマットレスを敷いて寝ています。毎日それを上げ下ろししているのですが、犬と一緒に寝ているため抜け毛が気になり、最初は掃除のつもりで粘着クリーナーをかけていました。
でも今では、この掃除が朝晩の小さな儀式のような時間になりました。掃除のあいだ、犬は私の様子をじっと見ていて、終わった瞬間にうれしそうに布団へダイブします。その姿がまた、たまらなく愛おしい。
朝ごはんは、もち麦ご飯と、メカブと温泉卵をトッピングした納豆が固定メニュー。タンパク質をしっかり摂るように心がけています。
メニューを固定にすることで、「なにを食べようかな」と迷うこともなく、さっと準備できるのでラクです。
朝、マットレスを片付けたら、お掃除ロボットのスイッチオン。そして、犬と散歩へ。
公園の健康遊具でストレッチをしているあいだ、犬は所在なさげでこちらを見ています。5分もすれば、鼻鳴きが始まって終了。これくらいが、お互いに心地よく続けられる時間です。
天気のいい日は、公園のベンチにただ5分だけ座ることもあります。風を感じて、空をながめるだけ。でもそれが、暮らしのなかでいちばん「幸せな時間」に感じる日もあるのです。
「5分でなにをやったか」より、「5分だけなにもしない」というぜいたく。それが一日のメリハリをつくってくれているように思います。
財布のなかを整える習慣も、そのひとつ。レシートを抜いて、お札の方向をそろえるだけ。
散らかった場所には澱(よど)みが生まれる…。そう思っているので、家も、財布も、できるだけ澄んだ状態を保ちたいと思っています。
トイレ掃除は、入浴前の5分だけ。元々あった入浴前にトイレを使う習慣に、ちょっとした掃除の習慣を新たにくっつけたことで、無理なくトイレ掃除の習慣化に成功しました。
「豊かさは整った場所にやってくる」と信じているので、毎日続けることで、暮らしにも気持ちにも、ちょっとしたプラス効果です。
不思議なことに、最初は5分間だけのルーティンでしたが、続けているうちに、10分間、さらには15分間にと、自然と増えていきました。そして気づけば、朝6時に起きて、Xに毎日投稿する習慣までできていました。
習慣って時間を奪うものではなく、むしろ、時間を生み出してくれるものなんですね。
ひとつひとつの習慣は小さなことですが、少しずつでも暮らしを整えるうちに、整った暮らしが今度は自分を整えてくれる。そんな循環が少しずつ見えてきました。
みなさんも暮らしにあった自分らしい「5分習慣」、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
2025-11-27T11:14:13Z