75歳でレシピやライフスタイルを紹介する雑誌『栗原はるみ』を創刊。
号を重ねながら、雑誌の企画で挑戦したギターが新しい趣味になったり、猫を飼いはじめたり……。料理はもちろん、自分らしくひとりでも楽しく暮らすためのヒントを発信し続けている料理家の栗原はるみさん。
そんな栗原さんが、誌面だけではどうしても伝えきれない料理のコツ、そして何より料理を作ることの楽しさ、丁寧な暮らしのエッセンスをお届けするオンライン料理教室を9月にスタートさせます。
6月にお届けした無料のインスタライブレッスンは、一週間で約7万人以上が視聴するなど、大反響!
衣・食・住を私らしく、心地よく過ごすために。
日々の暮らしに寄りそってくれる、栗原さんこだわりの白いファッションアイテムを紹介します。
① 思い出深いシンプルなパール
いつものTシャツにさりげなくパールを
私にとっていちばん身近なアクセサリーがパールです。
人生で最初に手にしたのは、成人式の時に母からもらった一連のネックレスとイヤリング、指輪のセット。
何十年経った今でもときどき箱から取り出し、やわらかい布で優しくふいて手入れをしています。同じように長くパールとつき合う楽しさを知ってほしくて、娘が20歳になった時にもプレゼントしました。
自分へのご褒美として買うことが多く、イギリスで出版された『Harumi’s Japanese Cooking 』がグルマン世界料理本大賞を受賞したときに手に入れたものは、特に思い出深いです。
流行り廃りに左右されず、シンプルでクラシック。フォーマルな装いのときだけでなく、カジュアルな着こなしにも迷わず合わせられるのがパールのいいところ。
最近よくつけているイヤリングは、シルバーの留め具をできるかぎり細くして、ブレスレットは花形の真鍮のパーツにこだわって作ってもらいました。Tシャツやニットに合わせています。
クラシックなデザインにモダンな遊び心を
つい先日、シャツを整理していたら9割ぐらいが白で、自分でも驚きました。
料理をしているときはだいたいTシャツとエプロンなので、シャツを着るのは、出かける時や友達に会うとき。
ちょっと気分転換もしたいので、気持ちがキリッとする素材が好き。ベーシックなシャツブラウスは少し首まわりが物足りないので、クラシックな中に遊び心やニュアンスのあるデザインが好みです。
お気に入りの一着を選ぶとしたらこのブロードシャツ。
細番手のコットンで、肌触りがつるりと滑らか。繊細な光沢感があって、袖を通した瞬間に気分がよくなります。
そして特に気に入っているのが、襟元についた共布の細長いボウタイです。本来はリボン結びをするものですが、かわいい印象になってしまうのであえてシックに縦に巻いて、ストンと落としています。
馴染みのレストランに行くなら、いつものブルージーンズを合わせて。シンプルなコーディネートで、私らしく着こなしたいです。
何歳になっても白いTシャツを
今後このトップスしか着られませんと言われたら、間違いなく白いTシャツを選ぶでしょう。それぐらい私にとってスタンダードなもの。
年齢を重ねるとくすんだ色のものを選びがちですが、何歳になっても白いTシャツを着続けたいです。
シンプルなものこそ奥が深いのは料理と一緒。誰かの意見に左右されることなく、これが私の好きな味! と自信を持って言えるかどうかが大事で、自分がしっくりくるシルエットや素材感はずっと大切にしたいなと思っています。
よく着るのは、アメリカのブランド、ジェームス パースとラグ & ボーンのもの。
どちらもくたりと柔らかくて肌馴染みのいいスラブコットン製。
肩幅はコンパクトで袖丈は短め。首まわりはキュッとし過ぎていないクルーネックで、ウエストラインは細み……と、求める条件が全部詰まっています。
スポーティすぎないデザインに惹かれて
私の身長は153cm。背が低いので、ソールの薄いスニーカーだとどうしても全体のバランスが悪くなってしまって、昔はヒールの高い靴やサンダルばかりはいていました。
ところが「スニーカーが似合う女性ってかっこいいよね」という娘の何気ないひと言をきっかけに、6年ほど前からスニーカー生活にガラッとチェンジ。
自分らしくいられる靴ってどういうものだろう? とあれこれ探してトライするのが楽しいです。
春夏はやっぱり真っ白に限りますね(もちろん冬でも!)。
爽やかで、軽やかで、ぐんぐん歩きたくなるスニーカーがいいです。そう思ってここ最近よくはいているのがカンペール。
ぼってりとしたフォルムが人気のブランドですが、この「フープス」というモデルはシンプル。細い靴紐がなんともエレガントで、スポーティすぎないところに惹かれました。
汚れたら優しくふいて、レザー用クリームを塗り、この白をずっとキープしたい。そう思わせる一足です。
写真(オンライン料理教室分)/嶋田礼奈(講談社写真部)
構成/『栗原はるみ』編集部