サプリメントを一切摂取しない長寿研究者が実践する3つのアンチエイジング習慣

  • トーマス・ランド博士は、アメリカ老化研究連盟の会長を務めている。
  • 彼は研究を通して、超加工食品を避けるといった健康的な習慣を強化するようになった。
  • ランド博士は熱心なランナーであり、地中海食を実践しながら週に1回は24時間断食を行っている。

アメリカ老化研究連盟の会長であり、UCLAブロード幹細胞研究センターの所長でもあるトーマス・ランド(Thomas Rando)博士は、数十年にわたって幹細胞の老化について研究してきたが、長寿に関する最良の教えは、時代を超えて変わらないものだと学んだという。

「何十億ドルもの資金を投じて研究されてきた健康的な老化とは、結局のところ、母親から教えられてきた2つのことに行き着くのではないかと、私はよく冗談を言っている」と、ランド博士はBusiness Insiderに語っている。

「つまり、きちんとした食事をとり、十分に運動しなさい、ということだ」

ランド博士は、体組織がどのように自己修復するのか、そしてなぜ最終的にその能力を失っていくのかを解明する研究にキャリアを捧げてきた。彼が得た結論のひとつは、寿命を延ばすことを目的に動物で試験されてきた多くの薬剤が、結局のところ、バランスの取れた食事や運動と同程度の効果しか示さないということだ。例えば、2022年の研究では、断食を課されたマウスが、ケトン体を注射されたマウスと同程度のストレス耐性を示すことが明らかになった。

彼は、多くの薬剤や医療的介入は、「ある意味で、人間が食事管理や運動で直面する負荷を肩代わりしているにすぎない」と述べている。

ランド博士の研究は、彼自身の生活を大きく変えるきっかけになったというよりも、それまで続けてきた健康的な習慣を強化する役割を果たしたという。例えば、大学卒業後から超加工食品を控えるようになり、飲酒は適量を保っている。

他の研究者仲間とは異なり、彼はサプリメントを一切摂取していない。ホールフードを食べ、自分の体を大切にするといった生活習慣こそが、長寿の鍵であると強く確信しているからだ。

「私自身の研究を踏まえると、きちんと食事をとり、よく眠り、運動しているのであれば、サプリメントが大きな違いをもたらす可能性は低い」

ランド博士は、長年にわたって守り続けてきた3つの長寿習慣を紹介した。

30代でランニングを始めた

ランド博士は30代になる頃、自身の仕事のスケジュールでは運動の時間を確保するのが難しいことに気づいた。バスケットボールやスカッシュは、試合を組むだけでもあまりに時間がかかる。そこで彼は、1人でできるランニングを、週に2、3回、1回につき数マイル走るようになった。

同僚に5キロレースへの参加を勧められたことをきっかけに、彼は競技としてのランニングに夢中になった。やがて10キロ、ハーフマラソンへと距離を伸ばし、最終的にはフルマラソンを走れるようになった。ここ数十年にわたり、彼はマラソンランナーであり続けている。

「誰もがマラソンを走るべきだと言っているわけではないが、運動がもたらす若返りの力は本当にあると信じている」

運動が長寿にもたらす効果についてはなお研究途上にあるものの、定期的な運動が心血管疾患やアルツハイマー病のリスクを低下させることを裏づける証拠は数多く存在すると、彼は述べている。

現在アキレス腱の負傷を抱えているランド博士は、ランニングの頻度をやや減らし、その分、筋力トレーニングに重点を置いている。筋肉量は加齢とともに低下するため、健康的な老化にとって筋力トレーニングが重要になるからだ。

加齢とともに筋肉量が低下することを踏まえて、健康的な老化にとっても重要な筋力トレーニングに重点を置いていると語った。

アンチエイジングの効果にとどまらず、彼はランニングによって得られる感覚そのものを気に入っている。

「走っていると頭が冴え、問題解決ができるように感じられる。うれしい価値が加わったようなものだ」

週1回の「24時間断食」

ランド博士は基本的に、世界的にも健康な食事法とされる地中海食を実践している。脂肪分の少ないタンパク質や果物、野菜を多く摂り、レッドミート(牛・豚・羊などの哺乳類の肉全般)や炭水化物、加工食品は控えている。

「ステーキが大好きで、ときには思い切って楽しむこともある。ただし、普段の夕食は、完全なベジタリアン食か、少量の肉や魚を取り入れたものが多い」

また彼は、何十年にもわたり、朝食をとらない形の断続的断食を実践してきた。昼食は枝豆とゆで卵といった軽めのものにとどめ、夕食を1日の中で最も量の多い食事としている。断続的断食については、血糖値のコントロールや脂肪燃焼に役立つとする研究がある一方で、その持続的な効果については結論が定まっていないことを示す研究もある。

ここ数年、ランド博士は、普段の断続的断食に加え、24時間の断食を週に1回行っている。朝から断食を始めるのではなく、夕食後に始め、翌日の夕食時まで続けることが多い。

このように定期的に断食を行ってはいるものの、そのスタイルを厳密に守っているわけではない。

「私の生活スタイルでは、複数日連続で断食を行うのは難しい。運動をしているし、誰かとランチやディナーに行くこともある。とはいえ、断食は健康的な老化を目指す手段のひとつだと信じている」

断続的断食は、潜在的な長期リスクも含めてまだ研究途上にあるため、ランド博士はこれを「信念に基づいて」実践しており、「科学的に見て長期的には健康に良い」と考えている。ただし、運動で得られるような即時的な効果を感じるわけではなく、「単に空腹を感じるだけだ」という。

2026-01-10T23:42:46Z